こんにちは、離乳食・幼児食コーディネーターのゆきです。
今回は、『手づかみ食べ』の役割について紹介します。
離乳食が進んでくると、耳にすることが増える『手づかみ食べ』。離乳食後期(9〜11ヶ月)頃に始まると言われていて、その名の通り、赤ちゃんが自分の手で食べ物をつかみ、食べることを言います。それまでは大人に食べさせてもらっていた赤ちゃんが、自分で食べようとする姿を見ると、成長を感じますよね。
しかし、顔や手、服が汚れる、後片付けが大変、食事に時間がかかるようになる…等、新しい悩みも。「遊んでいるようにしか見えない」「させないとダメ?」と思う方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
私も、息子がハンバーグを握り、ぐちゃぐちゃにしているのを初めて見たときには、「なんで?!?!」と驚きました。床に飛び散ったご飯を見て、「せっかく作ったのに…」と悲しくなったり、「片づけが大変!」とイライラしたりしたことも。
「掃除が嫌」「できればしてほしくないなぁ」と思ったこともありましたが、実はこの『手づかみ食べ』、赤ちゃんの成長において必要な、とても大切なものなんです!赤ちゃんにとってどんな役割があるかを知ることで、大変に思える手づかみ食べの見方が変わってきますよ。ぜひ肩の力を抜いて、最後まで読んでくださいね。
手づかみ食べが必要な理由
自分で食べる意欲が育つ
「自分で食べたいものを選び、自分で食べる」というのは、大人でも嬉しいことですよね。それは、赤ちゃんも同じです。
「自分で食べられた!」という達成感や「美味しい!」と感じた経験は、「もっと食べたい」「今度はこっちを食べてみよう」という次の意欲につながります。
このような経験を繰り返すことで、食への好奇心が芽生え、自分で食べようとする気持ちが育ってきます。
五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)が発達する
実際に手で食べ物を触ることによって、食べ物のかたさや温度を知ることができます。他にも「食べたとき、こんな音がするんだな」「いいにおいがする」等、食べる経験を積むことは、五感の発達につながります。
発達具合を知ることができる
手づかみで食べるためには、
・どの食材を食べるのか
・食べ物をお皿から口まで運ぶのに、どのくらい距離があるか
・いつ口を開けるのか … 等
目と手と口を協調させて動かす必要があります。これは『目と手と口の協調運動』と言われるもので、赤ちゃんが発達している目安となります。
手先の発達を促す
手づかみ食べを始めたばかりの頃は、手のひら全体で、大きく物をつかみます。だんだんと指をバラバラに動かせるようになり、指先で食べ物をつまんで持ったり小さな食べ物をつかんだり、より複雑な動きができるようになってきます。
また、食べ物はおもちゃと違い、強く握るとつぶれてしまうものもあります。手づかみ食べを通して、食べ物に合わせた力加減も学んでいきます。
私の息子の場合も、最初の頃はスティック状に切った野菜等も上手く握れず、よく床に落としてしまっていました。しかし、手づかみの経験を重ねることで次第に上手になり、床に落としてしまうことは減りました。さらに、サイコロ状に切った野菜などもつまめるようになって、成長を感じました。
一口の量が分かる
スプーンで食べさせてもらっているときには、大人が量が調節しているので、赤ちゃん自身は自分の一口に合う量を知ることができません。
しかし、手づかみ食べでは、自分の口に合う量を、自分で口に入れる必要があります。たくさん入れすぎた、少なすぎた…という経験を繰り返しながら、自分の口に入れる適量を学んでいきます。
私の息子も、最初は口に食べ物を詰め込むようにして食べていました。入れすぎて、そのまま吐き出すことも多かったです。ちゃんと食べられるようになるのか心配しましたが、しばらくすると、一口分だけ口に入れて食べられるようになりました。
ここで一口の量を知る経験は、その後のスプーンを使って食べる段階でも活きてきます。
まとめ
いかがでしたか?
食べ物をぐちゃぐちゃにしたり握ったりしている姿を見ると、ついやめさせないといけない気がしてしまいますよね。
私も最初は「掃除が…」「洗濯が…」と気になっていましたが、赤ちゃんにとって大切な経験、学習であると知ることで、手づかみ食べや口の周りが汚れている息子の姿を、温かい気持ちで見られるようになりました。
手づかみ食べが上手になると、その後の食具(スプーンやフォーク、お箸)への移行も、スムーズになると言われています。子育て期間を思えば、手づかみ食べをするのは少しの期間だけと捉えて、まずは思う存分!手づかみ食べをさせてあげてくださいね。
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